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入学年度
app year
科目名(クラス)
Course Title
単位数
credits
開講期
year
時間割
担当教員名
Instructor(S)
2005~英文学研究IStudies in British Literature1
2
前期
月曜日4時限
奥村 義博

1.サブタイトル Subtitle
トマス・ハーディの「テス」を読む
2.関連する教育諸方針 Course-Related Policies; Diploma and Curriculum Policy
①学位授与方針 4.国内外で、社会人として、国際人として活躍すべく幅広い専門的教養を身につけている。
②教育課程編成・実施方針 3.各専門領域への入門科目および専門演習。
3.授業科目のテーマと目的 Theme of the Course
英国の文豪トマス・ハーディの代表作の一つ「テス」は、世界観をめぐっての文化的な地殻変動に見舞われていたヴィクトリア朝の時代性を反映した長編小説である。また、作者の緻密な構成力、人物の内面深くに浸透する想像力、画家のような優れた観察力と描写力が遺憾なく発揮された、見事な言語芸術作品である。
 「テス」を読む作業をとおして、作品にそくして「世界観」にまつわる葛藤を確認し、英国さらには西欧文化を基底から理解するとともに、英語のテキストを具体的に鑑賞、分析することをとおして、19世紀的な問題を深く理解し、かつ文学のなかの英語の力を体感笛に知ることができる。
4.授業科目の内容・具体的な授業計画及び進度 Course Description and Outline
キリスト教的世界観・人間観と科学の洗礼を受けた19世紀的世界観・人間観の葛藤は現代日本の若者にはすぐには理解しがたいかもしれない。まず、作者がタイタニック号の悲劇に触発された書いた詩を鑑賞することをとおして作者の世界の見方を知る。そのうえで、葛藤がどのように作品に現れているか講義する。
 小説世界を作者がいかに構成しているかを具体的に知るために、作品分析の課題を用意し、受講者の主体的な解析と総括をグループ学習の形で求める。
 また、英語による表現やその力と魅力については、場面を限定し、その美しさの理解につとめるとともに、音読パフォーマンスも行う。
第1回:作者、講義についてのイントロダクション
第2回:"The Convergence of the Twain"について 読解を中心に
第3回:"The Convergence of the Twain"について 分析と鑑賞を中心に
第4回:'Chaseでの夜'までについて 偶然の観点から
第5回:神義論へのチャレンジャーとしてのナレーターについて
第6回:「テス」のなかの自然について 外なる自然との呼応
第7回:「テス」のなかの自然について 性と美
第8回:課題に関するグループ学習 ①エンジェルから求婚されたテスが取り得る道は4通り、決着までの期間には4つの段階があった。それらを総合すると、テスが取り得た道は11通り存在していたはず。それらをチャートで表示しなさい。 ②その11通りのなかのどれを作者は選んでいるか。また具体的にはどのようなエピソードを用意してそのようにしているかを、明らかにしなさい。
第9回:上記課題をめぐってのグループ学習の継続とレポート準備
第10回:レポート提出 課題について
第11回:〈自然〉から見たアレック・エンジェル・テスの関係性について Chaseでの経験
第12回:〈自然〉から見たアレック・エンジェル・テスの関係性について 皮肉な構造
第13回:クライマックスを読み解く 結ばれた二人
第14回:クライマックスを読み解く ストーンヘンジの場面の造形
第15回:音読パフォーマンス まとめ
定期試験
5.利用教科書 Textbook(s)
No.
書名
(Title)
出版社
(Publisher)
著者
(Author)
ISBN番号
(ISBN)
発刊年
(pub,year)
1
テス 上巻
岩波書店
トマス・ハーディ
4003224019
2
テス 下巻
岩波書店
トマス・ハーディ
4003224027
6.参考書 Reference Book(s)
No.
書名
(Title)
出版社
(Publisher)
著者
(Author)
ISBN番号
(ISBN)
発刊年
(pub,year)
1
トマス・ハーディの全貌
音羽書房鶴見書店
日本ハーディ協会
9784755302350
2
3
4
5
※教科書・参考書以外の資料 Materials other than textbooks and Reference Books

7.準備学習(予習・復習) Expected Work outside of Class時間
①確認小テストのためにも、グループ学習のレポート作成のためにもの繰り返し作品を読むことが求められます。
3.0 時間
②作品の構造を理解するためにも、講義で得た知見を復習し整理しておくことが求められます。
0.5 時間
3
③パフォーマンスのために準備する必要があります。
0.5 時間

4.0 時間
8.フィードバック Instructor Feedback
確認テストはコピーを返却します。学習レポートは全て印刷して全員に配布し、それぞれにコメントしながら、課題について講義します。音読パフォーマンスは、教員も含めた全員で評価します。最終レポートは、コメントを付けて、指定した日時に返却します。
9.評価の方法・基準 Criteria for Evaluation
2回の確認テスト 10パーセント
 グループ学習レポート  30パーセント
 音読パフォーマンス 10パーセント
 最終レポート 50パーセント
10.学習の到達目標 The Main Goals of Course
「テス」という傑作を深く理解することをとおして、言語芸術の力とそのなかの人間の普遍的なドラマを理解するとともに、時代性、異文化としてのキリスト教的世界観・人間観とそれを否定する新たな見方など西欧文化への理解を深めること、さらには、言語芸術の素材となっている言語について理解をより深めることができる。
11.その他の留意事項について Additional Instractions / Comments to Students
グループ学習に欠席した場合にはレポート提出資格を失う。


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