ミョウショウ ヒロアキ
MYOSHO Hiroaki
明照 博章 所属 松山大学 法学部 法学科 職種 教授 |
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言語種別 | 日本語 |
発行・発表の年月 | 2015/12 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | 正当防衛における「急迫不正の侵害」の意義―平成21年東京高裁判決を中心に |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 松山大学論集 |
掲載区分 | 国内 |
出版社・発行元 | 松山大学 |
巻・号・頁 | 27(5),83-112頁 |
概要 | 本稿では、東京高裁判決を分析した上で、その意義及びあるべき理論構成を考察した。その結果、まず、平成21年判決は、一定の場合には、防衛行為者に回避義務を課し、仮に、行為者に回避義務違反があれば、「急迫性を欠く」とする佐藤説を踏まえた理論構成をとっていることが明らかとなった。次に、平成21年判決の理論構成の妥当性に関しては、仮に、平成20年決定を上の趣旨と解した場合、平成20年決定とは方向性を異にすることなる評価が可能であり、これを前提とすると、平成21年判決の理論構成は、妥当ではないことになる。最後に、平成20年決定において、正当防衛を否定する根拠は、侵害の急迫性を欠くからではなく、「正当防衛の主張が権利の濫用として許されない」という構成をとるべきことを前提として、平成21年判決が扱った事例も、「権利の濫用」を根拠として正当防衛の成立を否定する一場面として処理すべきであったことについて確認した。 |