ダン ユウヤ
DAN Yuya
檀 裕也 所属 松山大学 経営学部 経営学科 職種 教授 |
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発行・発表の年月 | 2010/04 |
形態種別 | 学術論文 |
標題 | シュレーディンガー方程式の数理構造 |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | 松山大学論集 |
出版社・発行元 | 松山大学 |
巻・号・頁 | 22(1),105-134頁 |
概要 | 情報技術 (IT) を支える半導体産業は、従来から存在する電磁気学や電気・電子工学だけでなく、現在では量子力学を基盤に発展しつつある。
ナノテクノロジーが可能となった現代において、理論と実験の両面から量子力学が必要とされ、ミクロな世界における奇妙な性質を説明するためにシュレーディンガー方程式が注目されている。 本稿では、その背景となる時代的要請を概観するとともに、シュレーディンガー方程式の数理構造を研究することの位置づけを与える。 そのために、本質的な意味で複素数が導入された波動関数とシュレーディンガー方程式に関する性質を明らかにする。 数理科学の観点から、波動方程式や拡散方程式とともに発展方式として興味深い性質が見られる。 特に、空間の構造を多様体としてとらえ、二階微分項とポテンシャル項の関係から得られる成果を明らかにした。 これは、ポテンシャル項のあるシュレーディンガー方程式を二階微分項の係数だけで表現するという提案である。 数理科学の分野における偏微分方程式の研究には、数学的観点からの理論研究、工学的観点からの数値計算(シミュレーションを含む)、物理学的観点からの理論および実験に関する研究が幅広く行われている。 本研究は、数学的観点からの理論研究に軸足を置くものであるが、初期値問題をはじめとする従来の研究成果を踏まえ、最近になって明らかになった量子現象について新しい知見を求めるものである。 |