アキヤマ シンジ   AKIYAMA Shinji
  秋山 伸二
   所属   松山大学  薬学部 医療薬学科
   職種   教授
発行・発表の年月 2006/02
形態種別 学術論文
査読 査読有り
標題 Neuronal nitric-oxide synthase inhibition facilitates adrenergic neurotransmission in rat mesenteric resistance arteries
執筆形態 共著
掲載誌名 J Pharmacol Exp Ther
掲載区分国外
巻・号・頁 316(2),490-7頁
著者・共著者 Yukako Hatanaka, Narumi Hobara, Jin Honghua, Shinji Akiyama, Hideki Nawa, Yuta Kobayashi, Fusako Takayama, Yutaka Gomita, Hiromu Kawasaki
概要 ラット腸間膜動脈内皮徐去灌流標本において,交感神経介在血管収縮に対する非選択的NO合成酵素(NOS)阻害薬[N-omega-nitro-L-arginine methyl ester(L-NAME)およびN-omega-nitro-L-arginine(L-NNA)]および特異的神経性NOS(nNOS)阻害薬[vinyl-L-N-5-(1-imino-3-butenyl)-L-ornithine(L-VNIO)]の影響を検討した.L-NAME,L-NNA,L-VNIOの灌流は,外因性のノルエプネフリン(NE)注入による血管収縮反応に影響することなく,経壁電気刺激(PNS;2-8 Hz)による血管収縮反応を著しく増強させた.一酸化窒素(NO)合成の前駆物質であるL-arginineの添加は,L-NAMEによるPNS反応の増強を逆転させた.PNS(8 Hz)により誘起される灌流液中へのNE遊離は,L-NAME灌流により増加した.カプサイシン[カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)含有神経の枯渇薬]処置標本では,L-NAMEはPNSによる血管収縮反応もNE注入による血管収縮反応も増強しなかった.CGRP(8-37)(CGRP受容体拮抗薬)とL-NAMEの同時灌流は,PNSによる血管収縮反応の相加的な増強を誘導したが,NE注入に対する反応には変化がみられなかった.グアネチジン存在下で,メトキサミンにより灌流圧を上昇させた標本において,L-NAMEの灌流は,PNSにより誘導される血管拡張反応に影響しなかった.腸間膜動脈の免疫染色により,nNOS様免疫陽性神経線維の存在が確認され,それらはカプサイシン処置により消失した.これらの知見は,血管周囲カプサイシン感受性神経から遊離されたNOが,交感神経伝達を調節している神経性NE遊離をシナプス前性に抑制していることを示唆する.