アキヤマ シンジ   AKIYAMA Shinji
  秋山 伸二
   所属   松山大学  薬学部 医療薬学科
   職種   教授
言語種別 英語
発行・発表の年月 2004/08
形態種別 学術論文
査読 査読有り
標題 Vanilloid receptors mediate adrenergic CGRP-containing nerve-dependent vasodilation induced by nicotine in rat mesenteric resistance arteries
執筆形態 共著
掲載誌名 Br J Pharmacol
掲載区分国外
巻・号・頁 142(7),pp.1137-1146
著者・共著者 Shinji Eguchi, Satoko Tezuka, Narumi Hobara, Shinji Akiyama, Yuji Kurosaki, Hiromu Kawasaki
概要 ニコチンはカルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)含有神経からの内因性CGRP遊離により仲介される交感神経依存性血管拡張作用を誘導する.このニコチン誘導血管拡張作用の機序を明らかにするために、更なる検討を行った.メトキサミン含有Krebs液の灌流により,ラット腸間膜内皮徐去血管床を前収縮させ,灌流圧は圧トランスデューサーで測定した.1分間のニコチン(1-100 μM)灌流により,濃度依存性の血管拡張反応を生じた.Capsazepine(vanilloid受容体1拮抗薬; 1-10 μM)およびruthenium red(vanilloid反応阻害薬;1-30 μM)は,外因性CGRPによる血管拡張反応に影響することなく,ニコチン誘導血管拡張反応を濃度依存的に抑制した.ニコチン誘導血管拡張反応は,3,4-dihydroxyphenylalanine (DOPA)受容体拮抗薬(l-DOPA cyclohexyl ester;0.001-10 μM),ドパミンD1受容体選択的拮抗薬(SCH23390;1-10 μM),ドパミンD2受容体拮抗薬(haloperidol;0.1-0.5 μM),ATP P2x受容体脱感作作動薬(α,β-methylene ATP;1-10 μM),アデノシンA2受容体拮抗薬(8(p-sulfophenyl)theophylline;10-50 μM),ニューロペプタイドY(NPY)-Y1受容体拮抗薬(BIBP3226;0.1-0.5 μM)で抑制されなかった.腸間膜動脈の免疫組織化学的染色により,CGRPおよびvanilloid受容体1陽性神経の豊富な神経分布が観察され,それらは同じ神経上に存在していた.腸間膜動脈には,NPY陽性神経も豊富に存在している.二重染色法により,NPYおよびCGRPの免疫活性は,動脈上の同じ神経に観察された.これらの結果は,ニコチンは交感神経上のシナプス前ニコチン受容体に作用して,交感神経伝達物質もしくは関連物質を遊離し,CGRP含有血管拡張性神経上のvanilloid受容体1を刺激し,結果としてCGRPを遊離して血管拡張を起こすことが示唆される.