アキラ カズキ
AKIRA Kazuki
明樂 一己 所属 松山大学 薬学部 医療薬学科 職種 教授 |
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発行・発表の年月 | 2000/04 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読有り |
標題 | Stereoselective Internal Acyl Migration of 1β-O-Acyl Glucuronides of Enantiomeric 2-Phenylpropionic Acids |
執筆形態 | 共著 |
掲載誌名 | Biological & Pharmaceutical Bulletin |
巻・号・頁 | 23,506-510頁 |
著者・共著者 | Kazuki Akira,Hiroshi Hasegawa,Yoshihiko Shinohara,Misako Imachi and Takao Hashimoto |
概要 | 2-アリルプロピオン酸類(プロフェン)の 1β-O-アシルグルクロニドの分子内アシル転位反応は,血漿タンパク質との共有結合とその結果として生じるアレルギー反応への関与において興味が持たれている.そこで,プロフェンの基本骨格である (R)- 2-phenylpropionic acid ((R)-PA) および (S)-2-phenylpropionic acid ((S)-PA) の1β-O-アシルグルクロニドについて,pH 7.4,37℃ における立体選択的な分解反応を検討した.その結果,両化合物は見かけ上1次速度式に従って分解し,2--,3- および 3-O-アシル体(α-,β -アノマー混合物)が順次生成した.他のプロフェンアシルグルクロニドと同様に,アシル転位は加水分解よりも優位であった.すべての位置異性体とアノマーの構造は核磁気共鳴装置 (NMR) と高速液体クロマトグラフィー/NMR により確認した.(R)-PA アシルグルクロニドと (S)-PAアシルグルクロニドの半減期はそれぞれ 1.8 時間と 3.3 時間であり,他のプロフェンアシルグルクロニドと同様に (R)-体が (S)-体よりも不安定であることが判明した.これらの結果は,(R)-PA アシルグルクロニドが (S)-PA アシルグルクロニドよりもアシル転位を介してタンパク質と共有結合しやすいことを示す.PA はプロフェンのなかで最も単純な化学構造を持つため,プロフェンアシルグルクロニドの立体選択的分子内アシル転位を制御している構造上の物理化学的パラメーターをコンピューターを用いた計算化学手法により検討するためのモデル化合物として有用である. |