ダン ユウヤ
DAN Yuya
檀 裕也 所属 松山大学 経営学部 経営学科 職種 教授 |
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言語種別 | 英語 |
発行・発表の年月 | 2008/05 |
形態種別 | 学術論文 |
査読 | 査読有り |
標題 | Uniqueness theorem in weighted Sobolev spaces of the Cauchy problem for Schrödinger type equations with variable coefficients |
執筆形態 | 単著 |
掲載誌名 | Advances in Differential Equations |
出版社・発行元 | Khayyam Publishing |
巻・号・頁 | 13(5-6),pp.489-507 |
概要 | 本論文は、シュレーディンガー型方程式の初期値問題を考察の対象とした。シュレーディンガー型方程式とは、非相対論的量子力学に現れるシュレーディンガー方程式の一般的な拡張で、微分係数に空間変数を伴う点で時空にゆがみのある量子力学を記述していると考えられている。なお、2階微分係数には、楕円性・対称性・実解析性といった自然な条件を付与した。
初期値として重み付きソボレフ空間に属する波動関数を与えたとき、これまで解の存在及び一意性は明らかになっていなかった。そこで、本論文では解の一意性に関する問題に取り組み、重み付きソボレフ空間の中での一意性を証明した。 証明で用いられている手法は、方程式の変換によって共役な初期値問題に置き換え、エネルギー不等式による評価でその共役な初期値問題の解の存在と一意性を示すものである。方程式の変換では解の空間が重み付きソボレフ空間から通常のソボレフ空間になるものの、ソボレフ空間におけるシュレーディンガー型方程式の初期値問題を取り扱った先行研究では解の存在と一意性が言えない。そこで、多重指標の評価を補題として提示し、擬微分作用素とフーリエ積分作用素の理論に基づき基本解を構成し、方程式の変換の際に用いた。微分係数に空間変数を伴うことから、まずは近似解を作用素の級数として表し、その後に厳密解を構成するという手法をとっている。 一意性定理の証明には、変係数微分作用素に対するポアソン括弧の性質、楕円性から導かれるゴールディングの不等式、有界性定理を用いてエネルギーの評価を行った。2階微分係数に関する条件は、基本解の構成のほか、エネルギーの評価で結果に影響を与える。 |